いきなり最大の難関 ジャケット
【車椅子や障害のある方介護が必要な方へ、オーダーメイドやリメイク服を提供しています】
うん10年前に出会ったジュニアスタイルという、型紙付きのジュニアのための洋裁雑誌
これにハマってから、ひたすら勉強、アパレル、フリーと、何だかんだと、布をいじり、形を作って参りました!今でも継続中。障害があっても可笑しくて楽しくて嬉しくいられるようなお洋服を作ります!
★★★★
はじめに頼まれたのは、いきなりジャケットでした。 彼女は 人前に出るのも好きで、
きちんとしているものが好きでジャケット好き。
硬直している腕を ジャケットの袖に通すことをした、はじめての経験でした。
何とか顔に出さないようにしましたが、通らない腕をどうしたらよいか額には汗が滲み、明らかに焦りの顔…。
これは何とかしなくては。
彼女もそんなことはよくわかっていて、ヘルパーさんにも申し訳ない、と思っている。それでもジャケットを着たい。
小さな彼女の身幅には、だらっとした今風のジャケットでは、ジャケットに見えないのだ。
体にフィットしてきちんと感が欲しい。
いまでは、すご伸びクラスのストレッチウールなども存在しそうだが、
彼女のジャケットは普通のウールギャバの様な感じだった。
とりあえず預かり、昔の人体教科書を引っ張り出しながら考えた。
人間の皮膚は本当にすごい。
脇の下の皮膚は、ものすごく伸びる。脇の下は3倍ぐらいになる。
でも腕を下げても、だぶつかずに骨によさる。それは縦だけで無くひし形の方向に伸びていくのだ。
わかっていたけれど、その額に汗を掻くほどの体の力にも驚いた。
とりあえず、ジャケットの脇を解いた。
裏地も解いた。とにかく曲がった膝が通らなくてはいけないのだ。
一番伸びのある程よい肉厚のポリエステルポンチを探した。
そして、それを穴の開いた形と同じひし形の型紙で脇の下に当てた。
表はミシンで縫うが、裏は手でまつる以外ない。
うん、でも無理やり脇を大きくするより、ずっとスッキリと脇の下に収まる。
2週間後、彼女はにっこりと受け取ってくれた。
これは、滑りが悪くて着にくいコットンシャツなどにも応用できる
ひし形のコットンスムースの周りはロックミシンをかけておき、ひし形にはめ込む。
配色などにして遊び心を入れても楽しい!
■
テスト